満月の夜に割れた声で死んじまえ、死んじまえと叫びながら父親を滅多刺し。
死んだと思っていた母親に頬を撫でられて「母さんの血を飲みなさい」。
自分で両親を殺したくせに、その罪を全部吸血鬼になすりつけ、
「吸血鬼は汚い、あんな奴らに支配されるのは間違ってる」
都合が良すぎますね。
結局日本号に汚い吸血鬼というものを強烈に焼き付けたのは父親なのですが…
憎かった父親も愛した母親も自分で殺したショックで立ち直れなくなったところに、
先代総領の例の台詞が突き刺さり、記憶がすり替わってしまいます。
両親を殺した吸血鬼を許してはいけないと。
なぜ記憶を改竄したのか?
蜻蛉切がぼんやりと言っていますが、父親はともかく母親に自分の手で止めを刺したのがショックで、
その記憶から身を守る方法が日本号の場合は作り変えることだったわけです。
これ以降、嘘の記憶に支配されるわけですが、
よく考えれば両親を殺したときの日本号は目が真っ赤でしたし、
両親は吸血鬼に殺されたのだという文字だけ見れば
全くそのとおりなんですよね~。
あー楽し。
自分に流れる吸血鬼の血も嫌いではありますが、日本号に吸血鬼を恨ませたのは父親です。
が、記憶を改竄した今では父親が憎かったことも思い出せませんし、
強烈に印象に残ってる吸血鬼と両親を殺した吸血鬼が一致していないことも知るすべがありません。
ちなみに日本号は母親を殺された(と思った)から父親を殺したわけではなく、
以前からずっと父親が憎くて、その怒りを爆発させたのが母親を殺されたことだったのです。
おまけ。なんで日本号は御手杵にあんなに執着してたの?
周囲にずっと「可哀想に、吸血鬼に襲われるとこうなるのね」と腫れ物に触るように扱われてた日本号に
「チョコやるよ。包み紙は返せよ、おれが食べたことになってるんだから」
「おまえ前髪上げろよ。顔みえなくてみっともないぞ」と、
友だちにそうするように接していたのが御手杵。
どん底に突き落とされて抜け殻状態だった日本号を人らしい姿に戻したのが御手杵だったわけですね。
そんな恩人が自分をどん底に突き落とした憎い存在に惚れ込んで突っ走ったら
ちょっと待てやコラってなるわけですわそりゃ。